2008-04-05

平成9年度 森林(3/8)

■問題
植物は動くことができないので、自分の子孫を残すために、種子にいろいろな工夫をしている。どんな仕掛けと散布の方法があるか例をあげて400字以内で説明せよ。

■解答例
風による散布:枯葉のついた短枝とともに(ケヤキ)、種子の側面にプロペラのような翼をつけて(カエデ類)、種子の一端に羽毛をつけて落下傘のように(タンポポ)、種子の周囲に綿毛があり、ボタン雪が乱舞しているように(ヤナギ、ポプラ)、へら状の幅広い苞に種子をぶらさげてハンググライダーのように(シナノキ、オオバボダイジュ)風に乗って運ばせる。
重力による散布:種子が大型で重力のあるものは、落下するだけでころがっていく(ドングリ類)。
動物による散布:多肉質の木の実は、鳥の腹をかりて遠くに移動し、糞とともに排出される(ヤマザクラ、ムクノキ)、リス、ネズミの地中貯蔵する習性を利用して発芽を期待(ブナ、ドングリ類)、種子に細毛、カギ、逆トゲ、あるいは粘液を分泌して、動物の体毛や人間の衣類に付着して運ばせる(ヌスビトハギ、イノコズチ、オナモミ、チジミザサ)。
自動散布:成熟すると果皮がさけて、種子がはじきとばされる(ゲンノショウコ、フジ、コクサギ)。
水散布:種子が水に浮く構造を持つ(オニグルミ、モモタマナ、モダマ、ココヤシ)植物は、流れ着いた場所の条件により子孫を残しうる。

■MEMO
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